肝臓がん（右肝区域全摘出）の手術をさせていただきました。

佐世保市にお住いのラッキーさん、顔も可愛く、愛嬌がありスタッフからも大人気のワンちゃんです。以前から別の病気のため定期検査をさせてもらっていたのですが、残念ながら今回肝臓に大きな腫瘤が見つかってしまいました。大きさも５ｃｍを超える物で、出来ている場所も非常に切除が難しい尾状葉という部位でした。検査の結果、肝細胞がんが強く疑われました。

この肝細胞がんは完全に切除出来れば完治する見込みがあるものです。ですが、特殊な機械がないと出来ない手術で、腹部の大静脈や門脈という最も大きな血管を扱うため難易度が非常に高く、もちろんリスクも高い手術を乗り越えなければなりません。また手術をさせて頂くかどうかをとても悩まされた理由として、大きい肝臓がんにも関わらずラッキーは元気で普段と特に変わった様子もなかったのです。もちろん体調が崩れてからではよりリスクが高くなってしまうのですが、一見元気そうに見えるラッキーに命のリスクのある手術をさせて頂く…。もしもの事があれば…毎回悩まされます。 ですが今回は、飼い主様からこんなに元気なラッキーの生命力と先生を信用して手術を選択したいというお言葉を頂き、後押しされ手術をさせて頂きました。予想通り難度の極めて高い長時間の手術になりましたが、無事終えることができました。手術後２日目からはいつものラッキーらしさも戻ってきてほっとし、退院時に飼い主様と会い心弾ませるラッキーを見て、何とも言えない気持ちになりました。これからもこの様な光景をみられる機会を増やすべく精進していきたいと強く感じさせられました。